- 投稿日:2026.04.13
- 最終更新日:2026.05.01
Merveille Column


トウキンセンカは、観賞用の花として知られる一方で、薬草やハーブとしても長い歴史を持つ植物です。名前は聞いたことがあっても、その由来や特徴、どのような場面で利用されてきたのかまで把握していない方もいるでしょう。
当記事では、トウキンセンカの基本情報や薬草としての歴史、期待されている作用や研究報告、具体的な使われ方・楽しみ方を解説します。背景や根拠を踏まえて知ることで、トウキンセンカを自分の目的にどう取り入れるか判断しやすくなるでしょう。
1. トウキンセンカ(カレンデュラ)とは
トウキンセンカとは、地中海沿岸から南ヨーロッパを原産とするキク科植物の一年草です。日本では春になると花屋や花壇で見かけることが多く、オレンジ色や黄色の明るい花が長期間咲くことから、身近な植物として親しまれています。
一般には「キンセンカ」と呼ばれますが、薬草やハーブの分野では「カレンデュラ」という名称が用いられ、観賞用とは区別されることもあります。
1-1. トウキンセンカの薬草としての歴史
トウキンセンカは、古代から人々の暮らしと深く関わってきた薬草の1つです。学名 「Calendula officinalis」の種小名「officinalis」は「薬用の」を意味し、古くから実用植物として認識されてきたことを示しています。
古代ギリシャやローマ、インドでは、料理や染色、薬用などの幅広い用途で利用されていたとされ、中世ヨーロッパにおいてもハーブとして民間療法に用いられてきました。乾燥した花弁は薬や食品の着色に使われ、日常生活に身近な植物だったことが文献からうかがえます。
日本には19世紀半ばに伝来し、その後は切り花や花壇植物として普及しましたが、次第に薬草としての側面も知られるようになりました。
2. トウキンセンカに期待できる効果・効能
トウキンセンカについて、近年では成分に関する研究や利用実績をもとに、肌や体への作用についても注目されています。ただし、その多くは十分なエビデンスが確立されているわけではなく、作用の仕組みが明らかでない点も少なくありません。
ここでは、報告や研究例を踏まえながら、トウキンセンカに期待されている主な効果・効能について紹介します。
2-1. 抗炎症作用
トウキンセンカには、炎症を抑える働きが期待できる可能性が報告されています。乳幼児の肌状態を対象とした複数の比較試験では、カレンデュラを配合した軟膏を一定期間使用した結果、使用前と比べて肌の状態に一定の変化が確認されたと報告されています。
また近年では、花だけでなく根に含まれる成分についても研究が進み、細胞モデルにおいて抗炎症作用を示す可能性が示唆されています。ただし、これらの結果は限定的な条件下で得られたものであり、作用の仕組みや効果の範囲については今後の研究が必要とされています。
出典:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会「カレンデュラの研究情報」
出典:静岡県立大学大学院薬食生命科学総合学府「日本農芸化学会の英文誌の表紙に掲載:トウキンセンカの根に含まれる抗炎症物質」
2-2. 抗酸化作用
トウキンセンカには、酸化ストレスから守る働きが期待される成分が含まれていると報告されています。花エキスには、フラボノイドやテルペノイド、カロテノイドといった天然成分が含まれ、その中でもルチンやカロテノイド類が抗酸化作用に関与する可能性が示唆されています。
試験管内(in vitro)の研究では、ルチンによるラジカル消去作用や、紫外線に関連する酸化反応を抑制する働きが確認されています。また、日焼け後の酸化ダメージに着目した報告もあり、抗酸化メカニズムの解明が進められています。ただし、これらの知見の多くは基礎研究や限定的な試験によるものであり、化粧品としての使用において十分なヒト試験データが確立されているわけではありません。
2-3. 粘膜の修復
トウキンセンカには、損傷を受けた粘膜を保護し、状態を整える働きが期待されています。古くからメディカルハーブとして用いられてきたカレンデュラは、花の部分が主に利用され、皮膚だけでなく口腔や咽頭などの粘膜に対する使用例も知られています。
実際に、伝統的な薬用植物としての位置づけから、1986年にはドイツのコミッションEにより、口腔および咽頭粘膜の炎症に対する内服薬・外用薬として承認されました。中世ヨーロッパでは、外用として傷や火傷に用いられてきた歴史もあり、こうした利用実績が粘膜や皮膚の修復・保護に関する評価につながっていると言えるでしょう。ただし、これらは伝統的使用や公的評価に基づくものであり、作用機序の詳細については現在も研究が続けられています。
2-4. 肌のゆらぎ対策
トウキンセンカは、季節の変わり目や外的刺激によって起こりやすい肌のゆらぎに対して、状態を整える働きが期待されています。2003年には、化粧品メーカーであるノエビアにより、トウキンセンカ花エキスを配合した乳液などの化粧品製剤を用いたヒト使用試験が行われました。
この試験では、女性被検者が30日間継続使用した結果、未配合乳液と比べて肌荒れの状態について良好と評価された例が報告されています。ただし、評価は目視によるものであり、作用の仕組みや有効性については十分に解明されていません。そのため、肌のゆらぎ対策としては、あくまで一定の可能性が示されている段階として理解するとよいでしょう。
2-5. 美白
トウキンセンカには、日焼けによるシミやそばかすを防ぐ効果が報告されています。紫外線などの刺激を受けると、メラノサイトで生成されたメラニンは、デンドライトと呼ばれる突起を通じて表皮細胞へ受け渡されますが、この過程が過剰になると色素沈着につながります。
2003年に報告された研究では、トウキンセンカ花エキスがデンドライトの伸長を抑制する作用を示したことが、細胞試験および限定的なヒト使用試験で確認されました。ただし、臨床研究としての被験者数は少なく、作用機序や再現性については十分に解明されていません。そのため、美白については、メラニン移送に着目した1つの可能性として理解することが重要です。
3. トウキンセンカの使われ方・楽しみ方
トウキンセンカは、暮らしのさまざまな場面で活用されてきました。ここでは、トウキンセンカの代表的な使われ方や楽しみ方について、身近な例を交えながら紹介します。
3-1. ハーブティやエディブルフラワー
トウキンセンカの花は、香りや色合いを楽しむハーブとして親しまれています。乾燥させた花をハーブティとして淹れると、淡い黄色の見た目とやさしい風味を楽しめます。
また、ヨーロッパではエディブルフラワー(食用花)として利用され、葉はサラダに、花びらは料理のトッピングや色付けに使われてきました。乾燥した花弁はサフランの代用として、ご飯やパン、菓子類の彩りなど、見た目を引き立てる食材として活用されています。
3-2. 化粧品の原料
化粧品の原料として用いられるのは、トウキンセンカの頭花を水やエタノールなどで抽出したエキスです。医薬部外品表示名では「トウキンセンカエキス」や「油溶性トウキンセンカエキス」として定義されています。
英名のポットマリーゴールドはタゲテス属のマリーゴールドとは異なるため、混同を避ける目的で「カレンデュラ」と表記されることも一般的です。こうした植物エキス由来の原料は、単独または複数のエキスを組み合わせた混合原料として、幅広い化粧品に使用されています。
3-3. アロマ
花から得られる精油は採取量が非常に少なく、世界的にも生産量が限られているため、希少な精油として知られています。香りはすっきりとした印象があり、気分転換や作業の合間に取り入れられることがあります。
また、精油そのものだけでなく、花をアルコールや植物油に浸して香りを楽しむチンキやインフューズドオイルとして用いられることもあり、暮らしの中で穏やかに香りを楽しむ方法の1つとされています。
まとめ
トウキンセンカは、古代から人々の暮らしに寄り添ってきた植物であり、現在もその特性について多方面から関心が高まっています。成分研究に基づく効果が報告されている一方で、作用の多くは限定的な試験や伝統的な使用に基づくものである点に注意が必要です。
また、ハーブティやエディブルフラワー、化粧品の原料、アロマなど、日常の多様なシーンで取り入れられる点も特徴と言えます。トウキンセンカの背景や性質を正しく知ることで、植物由来原料や製品を選ぶ際の判断軸が明確になり、目的に合う取り入れ方を考えやすくなるでしょう。
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